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セレックについて
2021.03.31
こんにちは。勤務医の齋藤です。ようやく暖かくなり良い季節になってきましたね。
今日は院内で見かける、あの大きな機械についてご紹介したいと思います。
そうです、院内の通路に置いてあるこの機械です。少し大きめの音をたてて働いている姿を見た方もいるかもしれません。これは「セレック」といって、セラミックやプラスチックの詰め物、かぶせ物を自動で削り出すシステムで使う機械(ミリングマシーン)なんです!
セレックとは1985年に誕生した、歯科用CAD/CAMのことです。
このソフトにはさまざまあるのですが、セレックはドクターが診療室で使用することを考えて開発されたものです。そのためいかに短時間でデザインできるかというコンセプトで設計されています。
人の歯には指紋のようにそれ自身を識別する特性があります。その遺伝子情報に基づいた独自の計算式により、セレックは患者様固有の形態を再現することが出来るのです。
では実際にどのように設計、作製していくのでしょうか?簡単にご説明します。
まず、3Dカメラでお口の中の患部(詰め物やかぶせ物をいれたいところ)を撮影します。
(これにより、従来の型取りは不要です)
その後コンピューターの画面上に先ほど撮影した患部を再現します。この画面上で詰め物やかぶせ物の設計を行います。
設計が完成したら、セラミックやプラスチックといった素材を選択し先ほどの機械に指示を出します。するとデータを元に、選択した素材のブロックを自動で削り出します。
このような仕組みで詰め物やかぶせ物が完成します。
このシステムの特徴は、歯科技工所を通さずにセラミック等の歯が完成するところです。
従来のものと比較して、短期間で歯を入れることが可能です。
また院内で詰め物等を作ることが可能なので、費用も少し抑えることが出来ます。
さて、セレックの良い点をお話ししてきましたが、欠点もご説明します。
治療予定の歯がブリッジなど何本もつながった被せものの場合は今のところ作ることは出来ません。
また、上下の歯と歯の隙間が極端に少ない方はかみ合わせにより割れてしまう可能性があるので注意が必要です。
以上から、セレックシステムを使用した治療は治療期間を短くしたい方や、白い詰め物を入れたいが費用を抑えたい方に適した治療法ではないでしょうか。
どの方法が適しているかは、当院のトリートメントコーディネーターにご相談下さい。
最後になりましたが、診療時間中にミリングマシーンによる削り出しが行われていることがあります。
扉が透明で削り出す様子が見えるのでとても面白いです♪特にお子様には興味深いのではないでしょうか。是非足を止めてみてください。