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くさび状欠損
2025.12.11
こんにちは!歯科衛生士の宍倉です。
皆さんは “くさび状欠損” という言葉を聞いたことありますか?
あまり馴染みのない言葉かもしれませんが、実は誰にでも発症する可能性があるものなのです。
くさび状欠損とは?
歯のつけ根(歯と歯茎の境目)にくさび状のえぐれたような段差ができるものです。
歯に力が加わり、一部が摩耗することで起こります。
そのため1本だけ単体で起こるというよりは複数の歯が同じように起こる事がほとんどです。
自覚症状は出る方と出ない方がいらっしゃいますが、冷たいものでしみるなどの知覚過敏の症状が起こる場合もあります。
歯の表面の白い組織(エナメル質)が摩耗して削れてしまうため歯の中の組織(象牙質)が露出します。
象牙質の色は茶色いので見た目的にも気になる方は多いかもしれません。
歯ぎしり、強いブラッシング圧、噛み合わせの悪さなどが主な原因です。
歯ぎしりは寝てる時に無意識のうちに行うため、歯にかかる負担は1トン以上と言われています。
その強い力の影響で歯に負担をかけてしまいます。
ただ、やめようと思っても無意識なのでなかなか治りません。
そのため寝る時に使用するナイトガードというプラスチック製のマウスピースを推奨しています。
ナイトガードは食いしばりや歯ぎしりでかかる力を分散させることで歯への負担を軽減する効果があります。
また、歯だけではなく顎関節への負担も少なくしてくれるので顎関節症の方にも効果的です。
ブラッシング圧とは、歯を磨く時の力の強さのことです。
口腔内をきれいに保てている人ほど、磨きすぎてしまいリスクが上がる傾向にあります。
正しいブラッシング圧は150〜200g。
歯ブラシの毛先を爪に当てたときに爪の粘膜が少し白くなるくらいが目安です。
軽い力で小刻みに歯ブラシを動かし磨くことでブラッシング圧をかけずに効率良く歯を磨くことができるのでオススメです。
患者様の中にはガシガシ磨かないと磨いた気がしない!と言う方もいらっしゃいますが歯の為には良くないのでブラッシング方法を変えてみるのをオススメしています。
噛み合わせとは、もともと生まれ持ったものですが極端にきまった箇所だけ噛み合わせが強いと、全体の歯でバランス良く噛めている方に比べてその歯への負担が過度にかかります。
そのため、力のかかっている歯にくさび状欠損ができるリスクが高くなってしまうのです。
また、すでにしみる症状が出ていたりプラークがつきやすい場合は白いプラスチックの詰め物でくさび状欠損を埋める方法もあります。
くさび状欠損は自然に治る事はありません。
ですので、鏡で見た時につけ根が欠けている場合は、一度歯科医院を受診し相談してみてください。