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要介護高齢者の口腔ケア
2025.07.28
こんにちは、歯科衛生士の根元です。
梅雨が明け、暑さも日々増していき、本格的な夏が近づいてきました。
今回は、要介護者の口腔ケアについてお話しします。
口腔ケアとは、口腔内の清掃、口腔機能の維持・向上を目的とするケアです。
お口の中は細菌が生息しやすい37度に保たれているので、細菌が増殖しやすい環境です。
そして、唾液には細菌の繁殖を抑える効果があります。
高齢者はその唾液の分泌量が少ないため、自浄作用が低下してしまいます。
自浄作用とは、歯やあの間についた食べかす、
歯垢などの口腔内の汚れを洗い流すことを指します。
ここからは要介護者の口腔ケアの種類についてお話しします。
要介護者の口腔ケアには2種類あります。
「器質的口腔ケア」と「機能的口腔ケア」があります。
①器質的口腔ケア
うがいや歯磨きで、お口の中の歯・舌・粘膜などの清潔を保つことにより、歯周病や虫歯を防いだり、糖尿病などの生活習慣病の悪化を防ぐことができます。
また、誤嚥性肺炎の予防にもなります。
誤嚥性肺炎とは、唾液や食べ物が誤って起動に入り込む際に、お口の中の菌も一緒に入り込み発症する感染性肺炎のことです。
お口の中を清潔にしておくことにより、万が一誤嚥が起こっても、菌の量が少ないので、肺炎の重症化を予防することができます。
このケアでは、
・歯ブラシ
・歯間ブラシやフロス(糸ようじ)
・スポンジブラシ
・舌ブラシ
・ワンタフトブラシ
・スーパーフロス
・義歯用ブラシ
・ガーグル(うがい受け)
・ケア用のジェルや保湿剤
などを使っていきます。
例えば、スポンジブラシはこのようなものです。

歯石や歯垢をとった後、最後に仕上げで使うのがオススメです!
お口の中の粘膜面(ベロや歯茎、頬の内側の粘膜など)全体を拭いましょう。
この時注意して頂きたいことは、スポンジブラシを水で濡らしたあとに、”硬く絞る”ということです。
水分を多く含んでいると、むせや、誤嚥性肺炎の原因になるからです。
また、拭う際に、ケア用のジェルをスポンジブラシで口腔内に塗るようにすると、汚れを拭き取ると同時に、口腔内の殺菌や保湿ができるので、私はいつも訪問歯科の時に行っています!
②機能的口腔ケア
食べる・話す・表情をつくるなどの口の動き、口周りや舌の筋肉の働きを改善したり、維持したりするために行うケアです。
お口の周りの筋肉を鍛えたり、唾液腺のマッサージ、嚥下機能を鍛えるトレーニングを行います。
お口周りの運動
・唇をくっつけて、口を閉じ、頬を左右交互に膨らませる
・あいうべ体操

唾液腺のマッサージ

口腔内の清潔が保たれることにより、全身の健康にも良い影響があります。
脳梗塞や動脈硬化、心筋梗塞、糖尿病、などのリスクを減らすことができます!!
更に、細菌による歯周病を防ぐことで、より多くの歯を残すことができれば、自分の歯でしっかり噛み、食事を行うことができます。
しっかり噛むことによって脳の活性化に繋がり、認知症のリスクも減らすことができます!!
ぜひ、みなさんの周りに口腔ケアの介助が必要な方がいましたら、今日紹介したものを用いてケアを行ってみましょう!
ケア用品の詳しい使い方や、トレーニングのやり方がわからない場合は、気軽に私たちに聞いてくださいね^_^