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インプラント学会
2024.11.09
こんにちは、歯科医師の蒔田です。
2024年2月24から25日に新宿の京王プラザホテルにて日本口腔インプラント学会関東甲信越支部大会に参加してきました。
今回のテーマは「グローバルスタンダードのインプラントとは」でした。
今回も8つのシンポジウムと2つの特別講演や多数の発表、専門講習など充実の内容でした。日本口腔インプラント学会は歯科の中で、今や最大の学会員数で16,000名を超え、世界的にも有数の規模数です。
今回の参加者は約1,600名もの関係者で、大盛況でした。インプラント治療の普及や関心が益々高まっていることがうかがえます。
昨今、人生100年時代と言われるほど、平均寿命が伸びています。
しかしながら、健康寿命はあまり変わらないので平均寿命までの期間が長くなっている現状です。要するに、様々な病気や状況による衰え(フレイル)により、介助・介護が必要な期間が伸びてきてしまっている状態なのです。その期間を短くするためには、様々な病気等による衰え(フレイル)の予防が大切です。そのためには、口腔内の衰え(オーラルフレイル)の予防の早期介入が必要です。「噛めるようになること(噛むことを維持する)」が発症抑制のエビデンスがあるいう見解が徐々に得られてきております。そのために、インプラント治療を行うことで、失った機能を取り戻しフレイル、健康寿命の延長につながることで、患者様のQOLの向上となると思います。
今回の学会の中で、外科的手術もあるインプラントのような積極的な治療はなるべく健康寿命までに終わらせたほうがいいとのことでした。認知症を発症した場合は、意思疎通が困難になり治療が難しくなったり、既往症の悪化や体力の低下によりリスクファクターが増え治療途中で通院が困難になることがあります。
その後のからだの自由がなかなかきかなくなってきてからのために、なるべくセルフケアだけでなく、プロフェッショナルケアもしやすく、再治療のしやすい口腔内状態にしておくと管理がしやすくなりトラブルも防げます。
また、インプラント治療も長期の安定的な経過が見込めるようになってきており、経過を管理する病院、歯科医の高齢化、引退によりうまく引き継げないインプラント難民が増加する可能性が示唆されているとのことでした。
インプラント治療の抱える未来への問題が自分の中で明確化された充実した学会でした。
当院でも、TC、衛生士、歯科医師が皆様の体調、環境をお話をうかがいながら治療のタイミング等も考慮し、皆様の健康に少しでもお力添えができるよう尽力いたします。