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入れ歯を理解しましょう
2022.01.06
こんにちは。あさひ歯科・矯正歯科の塩野谷です。
高齢のご家族、または施設の利用者さんのお口のなかに入っていることが多い「入れ歯」。若いスタッフの方などは、自分とは縁遠いこともあって「知っているようで知らない」ものではないでしょうか? 今回は、入れ歯について「形態による違いの面から」と「保険適用の有無の面から」それぞれの違いをご説明していきます。
まずは「形態による違い」です。総入れ歯と部分入れ歯の二通りあります。
①総入れ歯
総入れ歯は、すべての歯を失ったときに使う入れ歯です。
入れ歯の支えになるような歯がないために、入れ歯を固定するために歯ぐきなどの粘膜面に負担がかかりがちです。十分な維持力や支持力に欠けがちで、定期的な診査と調整が必要です。慣れないうちは、入れ歯が合わない、つけると痛いという声を聞かれることも多い総入れ歯ですが、細かい調整を繰り返すことでお口にあった入れ歯を作りあげていくことができます。
②部分入れ歯
口のなかに歯が1本でも残っている場合に使う入れ歯です。
残っている歯にクラスプと呼ばれる金具をかけることで入れ歯を固定するのが一般的です。クラスプの違和感、クラスプ部分に汚れがたまりやすいことなどが部分入れ歯の悩みの種です。
次に、「保険適応の有無」による違いです。
①保険適用の入れ歯
保険治療で作ることのできる入れ歯です。自己負担が少ないのがメリットですが、入れ歯製作の過程で制限が生じてしまうというデメリットもあります。
保険適用の入れ歯は使用できる硬質レジンや陶材などに制限されてしまい、製作工程も23工程までとされています。こうした事情から入れ歯装着時に違和感が残ってしまったり、落下などによる衝撃で割れてしまったりすることもあります。
②自費診療の入れ歯
自費診療の入れ歯は保険が適用されず、費用は自己負担になるため、高額になってしまいます。
一方で、使用できる材料に制限はないので、豊富な選択肢のなかから自分のお口に合ったものを選ぶことができます。保険適用の入れ歯の場合、粘膜と接する部分は硬質レジンという材料を使って作りますが、自費診療であればこの部分を金属にして軽く薄くすることも可能です。
部分入れ歯の場合は、クラスプと呼ばれる金具をなくしてノンクラスプタイプの入れ歯を作ることもできます。
加えて、制作工程も52工程まであるため、手間ひまをかけて一人ひとりに合った入れ歯を作ることができます。
ただし、一概に保険適応が良いとか悪いとかのように判断はできません。お口の状態に合わせて、おすすめの種類は異なってきます。
入れ歯は体の一部!
食事をするときはもちろん、話すとき、さらには顔の表情にも大きく影響するのが入れ歯です。入れ歯使用者にとっては体の一部といっても過言ではありません。大切に管理して正しく使いましょう。