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お口の中、観察していますか?
2021.11.18
こんにちは。あさひ歯科・矯正歯科の塩野谷です。
皆さん、口腔ケアで介助みがきをするときは、何に気をつけていますか?実際に歯をみがく前に、お口の中をしっかりと観察することも大切な事のひとつです。口の中の状態は、その人のかかっている病気や服用している薬、また、性格、環境で大きく違ってくるのです。
◎見える部分だけでなく「見えない部分」も観察!
基本的なチェックポイントは、むし歯や歯の動揺(グラグラするか)の有無、歯ぐきの状態、粘膜の傷の有無といった、見える部分です。もちろん乾燥状態や衛生状態も確認します。
加えて、目に見えない部分もチェックします。痛みを訴える箇所の有無、口臭・嚥下障害・言語障害などの有無も確認しましょう。
◎加齢によってこう変化する
年齢とともに人間の肉体は変化します。お口の中も例外ではありません。加齢によってそれぞれの箇所には、次のような変化が現れます。
(1) 歯:磨り減る、短くなる、黄色くなる
(2) 歯肉:弾力性が低下、歯冠部が長くなる
(3) 唇:萎縮し、弾力性が低下する
(4) 顎の骨:細く小さくなり下顎が前に出る
(5) 顎の関節:平坦になり、変形する
(6) だ液腺:萎縮するので唾液の分泌量が減少する
(7) 下顎と舌:不随意運動が出やすくなり、入れ歯が不安定になって、入れ歯の作成が難しくなる
(8) 口の感覚:感覚が鈍くなり、痛みを感じにくくなる
(9) 味覚:味蕾(味を感じる場所)が萎縮し、味覚障害が発生しやすくなる
◎こんなときは口腔ケアを見直そう!
お口の中を観察したときに、次のような変化が確認できたときは、口腔ケアの方針を見直しましょう。歯科医師や歯科衛生士にご相談ください。
(1) リウマチなどによる顎関節の障害がみられたとき
(2) 顔面筋障害や意識障害による開口障害がみられたとき
(3) 肺機能の低下による呼吸不全がみられたとき
また、口の中の状態には問題はなくても、指示が通らない、意思疎通がスムーズにできないなどの認知症の進行が見られたときも、口腔ケア方針の見直しが必要になります。
◎自分で感じることができないから「観察」が重要
自分の口は、観察しなくても自分の感覚で感じられることが多くあります。歯が痛むな、口を開きにくいな、粘膜に傷ができたななどと、ダイレクトに情報が伝わります。しかし、他人の口の中の状態は直接感じることができません。それだけに「観察」が重要になります。観察することで、これは痛いぞーとか、あそこが当たって傷ができたのかな?と想像できるようになのです。
介助する相手の口の中の状態をしっかりインプットできたら、その情報をもとに口腔ケアを始めましょう!