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高齢者のお口のケア情報〜誤嚥性肺炎を予防する①〜
2021.02.14
誤嚥性肺炎の危険性
厚生労働省のデータによると、2018年に誤嚥性肺炎が原因で亡くなった人の数は、3万人を超えています。高齢化に伴い、今後誤嚥性肺炎での死亡は10万人を超えると予測されています。
どうして誤嚥性肺炎になるか
◯お口の機能と衛生状態が悪い
お口の中には無数の細菌が存在しています。ケアをしないままですとお口の中で増殖し続けます。飲み込む機能が低下すると、唾液や食事を飲み込む時にそれらが肺に運ばれてしまいます。歳を重ねると「むせやすくなる」のはそのためです。唾液や食事と一緒に、お口の中の最近も肺に入ってしまうことで起こるのが「誤嚥性肺炎」です。そこで、お口の中を清潔に保つことと、お口の機能を低下させないことが大切です。
◯栄養状態が悪い
お口の機能が低下すると、十分に食事が取れなくなり、栄養状態が悪化します。すると体の力も無くなっていき、さらにお口の機能が低下するという負のスパイラルに入ってしまいます。
◯胃腸の健康状態
胃からの逆流が起こる、逆流性食道炎、便秘などがあると、そのことから誤嚥につながり、誤嚥性肺炎の危険につながります。H2ブロッカーなどを服用している場合、胃のphが上がってしまいうと、本来は胃に入った細菌を強酸が死滅させてくれますが、それができなくなり、細菌が死滅しにくくなってしまいます。
つまり、お口の中を清潔にして、お口の機能を正常に保てれば、誤嚥性肺炎の危険を減らすことができます。
今回は、◯お口の機能と衛生状態
をピックアップし、その中でも基本的な、口腔内の清掃について、ご説明します。
*口腔内の清掃
お口のケアで最も大事なのは、お口を清潔に保つことです。お口の清潔のポイント3つは、歯磨き、粘膜の清掃、そして入れ歯の管理です。
歯磨きについて
力が弱っていたり、リウマチなどの基礎疾患によって手が動かなかったりすると、歯磨きをしていても細かいとこまで届いていないことが多いかもしれません。また、高齢で欠損歯があり、存在している歯が飛び飛びだったりすると、連続して磨くよりも技術が必要になってきます。そして、ブリッジや連結冠と呼ばれる、隣同士でくっついている「被せ」が多いことや、歯ぐきが痩せていて本来よりも歯が長くなっていることも、歯磨きを難しくする要因です。そこで、介助してあげることも大切になってきます。
これらの場所は、共通して歯間ブラシを使用することで解決出来ます。歯の飛び飛びになった部分、被せのつなぎ目の部分、歯ぐきが下がった部分、すべてに有効です。隙間は大きいことが多いので、使用する歯間ブラシも大きめを使うと良いでしょう。
次回は入れ歯の使用と管理について、ご紹介します。