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マウスピースのおすすめ
2019.08.31
こんにちは 歯科医師の清水です。
急に涼しい日があったり、いきなり暑くなったりと体調管理が難しい季節ですが夏バテせずに元気にお過ごしですか?
季節の変わり目や気圧の変化を敏感に感じて体調不良を訴えられる方がいる一方で、ご自身では気づかないうちに体が環境の変化をストレスと感じて反応していることがあります。
歯ぎしりや噛みしめなどもそういった抗ストレス反応のひとつであるという考えがありますが、そういった体の反応に対応する器具が歯科にもあることをご存知ですか?
それは…マウスピース!
今回はマウスピースについてのお話をしたいと思います。
みなさんのなかに、顎関節症があったり、噛む力が強かったりするから寝るときにマウスピース(ナイトガード、スプリント)の使用を歯科医院で勧められたことがある方はいませんか?
本来歯と歯が接触するのは食事のときだけですので、時間にすると一日15分程度です。普段上下の唇はついて閉じていても歯と歯はくっついていない状態がよいといわれています。
しかし日中の生活のなかで歯と歯を噛み合わせてしまっていることがあります。
そのとき軽く歯と歯が接触しているだけだと思われるかもしれませんが、実は歯だけでなく顎関節や口腔周囲筋など様々な器官が緊張し負荷がかかっています。
さらに本を読んだりパソコンに向かっているときなど、集中していると無意識のうちに強く歯と歯を噛みしめている人がいます。覚醒時(目が覚めているとき)にはあごが痛くなる前に噛みしめをといてあごをリラックスさせることができますが、無意識のため気が付くとあごが痛くなるほど噛みしめていることがあります。と訴えられる患者様もいらっしゃいます。
日中の噛みしめは自分自身で意識をすることで気をつけていただくのですが、睡眠中の噛みしめにはナイトガードの着用をお勧めしています。
人は睡眠中に嚥下(飲み込むこと)や寝言などのさまざまな口腔活動を行っています。そのなかに睡眠時ブラキシズムというものがあります。睡眠時ブラキシズムではクレンチング(食いしばり)とグラインディング(歯ぎしり)がよく観察されます。起床時にあごの痛みがあるなどの症状を自覚されている方もいらっしゃいますが、多くの方は自分は寝ているときに歯ぎしりなどしていない。と訴えられる方がほとんどです。
歯ぎしりは睡眠時パートナーからの指摘などで認識される場合もありますが、食いしばりは音がしない(歯ぎしりほど大きな音がしないことが多い)ため隣で寝ていても気づかれないこともあります。
睡眠時ブラキシズムは、多い少ない、強い弱いの差はあるものの、行っていない人はいないといわれています。鼻炎があって口で呼吸している人でもです!
無意識に行われているブラキシズムの力は普段噛む力の数倍、クルミを割るほどの力があるといわれています。こんなに強い力が加われば歯が割れたり、治療をした被せ物が壊れたり、あごが痛くなったりするのは当然だと思いませんか?
そんな睡眠時ブラキシズムから歯やあごを守るためにも就寝時のマウスピースのご使用をおすすめします。
マウスピースをすれば睡眠時ブラキシズムが無くなるわけではありませんが
力を分散することで歯への負担やあごの関節にくる負担が軽減され、個人差はありますが、起きた時の疲れの軽減が期待できます。また歯や被せ物を守り長持ちさせることにもつながります。
歯の型をとって次の来院時には出来あがり、保険診療の範囲内です。おおよそ5000円くらいです。
ぜひご自分のお口にあったマウスピースを使って快適な健口生活をおくりませんか。
痛みなど特に症状のない方も、口腔内を診査することで、歯のすり減り具合や頬粘膜の圧痕などの状態からブラキシズムの診断ができます。お気軽に歯科医師、歯科衛生士にご相談ください。