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CAD/CAM冠ハイブリッドセラミック
2018.01.07
CAD/CAM冠ハイブリッドセラミックとは
CAD/CAM冠ハイブリッドセラミックとは、保険で出来る白い被せ物です。
2017年12月より、適応範囲が広がりました。
もともと白い被せは、真ん中から数えて3番目までの前歯に適応で、4番目より後ろに被せる時は、いわゆる「銀歯」でした。
2014年から、一部の歯にCAD/CAM冠ハイブリッドセラミックが適応になりましたが、臨床データが十分ではありませんでしたので、導入しておりませんでした。
(ちなみに、ハイブリットジャケットクラウンという、プラスチックの白い被せが小臼歯に限り認められていますが、強度が著しく不足しているのに加え、適合が悪いので虫歯にもなりやすく、あさひ歯科では使っていません)
今回適応になったCAD/CAM冠ハイブリッドセラミックは、ハイブリッドジャケットクラウンよりも強い、白い被せものです。小臼歯(前から4番目、5番目)と、下の歯に限り前から6番目まで(後ろから2番め)の歯に適応されますので、見える位置はほぼ網羅されます。
料金は、3割負担で約9000円です。
メリット:
・保険で白く被せることができます
・金属アレルギーに対応できます。
デメリット:
・完全なセラミックではないので、変色します
・セラミックほどの強度がないので、割れる恐れがあります。強度を表す「曲げ強度」ですが、CAD/CAM冠ハイブリッドセラミックの場合200mpa、それに比べてセラミッククラウンは400mpaですので、強度は約半分と言えます。
・すべての歯に適応になるわけではありません。
・被せだけが対象です。部分的な詰め物には保険がききません。
・歯に特有の「透明感」は出せません。「白い」歯が出来上がります。色調の微調整もできません。
・ブリッジには対応できません。
特に、脱離(外れてしまうこと)の割合が高いです。
臨床試験では、次のようなデータが出ています。
●3ヶ月以内の脱離が7.8%
●6ヶ月以内の脱離9%
そのうち2%で破損(割れてしまって使えなくなること)
●1年8ヶ月以内で24.5%が脱離、さらにそれを再装着しても、一ヶ月以内に再脱離する確立が43.8%
色の変化も出やすいです。
●3ヶ月以内に光沢の喪失が15.7%
●3ヶ月以内の着色5.9%
治療の流れは、通常どおり型取りをして、次の回に装着です。
白い歯で、透明感もあり、色調変化も無く、強度があって長持ちなのは、e-maxクラウン(セラミック)です。保険適応ではありませんので自費診療になりますが、型取りから材料を変えて制作しますので、精度が高く長持ちします。